2012年12月21日金曜日

『プラスチックスープの海』



プラスチックスープの海──北太平洋巨大ごみベルトは警告する
チャールズ・モア/カッサンドラ・フィリップス=著
海輪由香子=訳(NHK出版)

ブックデザインをしました。


 太平洋ごみベルトの発見は、ほんの始まりにすぎなかった。
 状況はさらに劣悪だったのだ。
 海洋に投棄された、想像を絶する量のプラスチックごみは、
 いまや食物連鎖の中にまで入りこんでいる。
 微粒子・ボトルキャップ・レジ袋は、海鳥や海棲哺乳類の餌にまぎれ、
 遺棄漁具は、生き物にからみついて死に追いやっている。
 すべての命の源である海は、知らぬ間に、
 使い捨て社会のごみ捨て場になってしまった──。
 この流れを止めるエコロジカルなイノベーションとは何か?
 プラスチック普及の歴史から、その毒性、生分解性樹脂の開発まで、
 海洋ごみ第一人者が調査船での冒険談を交えて、徹底的に解明する。
 (カバー袖より)



↑帯を取った表紙カバー。


↑表紙


イラストは竹井千佳さんです。
「海のスープ(水)を飲む女性が水色(海)の涙を流している」ところ
までは、打ち合わせで決まっていましたが、人魚に仕立ててくれた
おかげで、さらに強いメッセージが伝わったかと思います。

そして、このイラストは内容と偶然のリンクもありました。
そのあたりは竹井さんのブログ(→コチラ)に書かれています。
写真も、竹井さんのほうがしっかりと撮られていますので
ぜひご覧ください。


用紙は、
カバー=ミセスB-F(ホワイト)グロスニス
帯  =ミセスB-F(ホワイト)グロスニス
表紙 =地券紙
見返し=ファーストヴィンテージ(ブルーグレー)
別丁扉=ミラーコート(プラチナ)



↑口絵です。左写真のキャプションは、
「コアホウドリのひなの死体の胃の中身。大半がボトルキャップ。
 2002年クレ環礁で。」

他にも、プラスチックごみで埋め尽くされたインドネシアは
チタルム川など衝撃的な写真連発です。


著者のチャールズ・モアさんが来日講演をしたときは
金属製の水筒持参で、ペットボトルやストローは
受け付けなかったそうです。

環境問題は山積ですが、もっとプライオリティが
上がってもいいと思いました。広く知られてほしいです。

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