2010年8月30日月曜日

伊野孝行・丹下京子二人展「鍵」




八月二十七日

HBギャラリー。

伊野孝行・丹下京子二人展「鍵」に行きました。


谷崎潤一郎の小説「鍵」は、主人公の夫婦が

お互いの日記を「読んでいない」ことで成り立っている。

夫を伊野孝行さん、妻を丹下京子さんが演じる(描く)。

まず、そのアイデアが良い。


二人展、グループ展となると

誰々が良かった、となりがちだ。

普段の二人の絵が交互に並んでいたら

やはり(好みの差で)どちらかが

どちらかの引き立て役になるだろう。

だがこの展示では、むしろ相乗効果で

二人が醸し出す淫らな「鍵」の世界に

心地よく引き込まれてしまう。


職業柄、イラストの展覧会に行くときは

「仕事に使えるか」というスケベゴコロが

頭の中の多くを占めている。

そういった目で見始めたことが

間違いだったとすぐに気づく展示だった。

(絵はスケベです)

邪心を捨てて、絵の前に立ってみよう。


九月一日まで。行ったほうがいい。


(F)