「ニーチェ 道をひらく言葉」野田恭子訳(イースト・プレス刊)
・カバー → TS-7(N-9)
・帯 → キュリアスメタル(ホワイト)
・表紙 → TS-6(R-5)
・見返し → Mag100(プレーン)
・化粧扉 → ファーストヴィンテージ(アッシュ)
今回は時間も予算も余裕のある楽しい仕事でした。
イースト・プレスの編集長Hさんと担当編集者のHさんに
感謝しつつ、テスト印刷と色校の数々をお見せしましょう。
カバーのラフを7案ほど煮詰めていって、
たどり着いたのはガラースフレークのギラギラ感が独特な高級紙、
「ミランダ」のあい色を使用することでした。
そこで問題になったのがバーコード。
「ミランダ」の “あい” は濃い色なのでバーコードの
地色の白のために、白インキや白箔、シール貼りを検討…。
と同時に白い用紙に濃〜い藍色を刷る方向を
テスト刷りすることになりました。
1.テスト印刷はタイトルの「ニーチェ」の部分のみ各種加工。
用紙はミランダ(スノーホワイト)に2色+グロスニス。
[右・上から下へ]
・加工なし
・白箔(ノセ)
・白箔(ヌキ合わせ)
・パール箔(ノセ)
・パール箔(ヌキ合わせ)
2.用紙を「キュリアスIR」にしたもの。
同じく「ニーチェ」の部分のみ各種加工。2色+グロスニス。
[右・上から下へ]
・加工なし
・白箔(ノセ)
・白箔(ヌキ合わせ)
・パール箔(ノセ)
・パール箔(ヌキ合わせ)
テストでは、白箔もパール箔も予想ほど効果が出ず…。
よって特色2色を調整して、バーコードのために
スミを加えた3色で色校を出すことになりました。
用紙もミランダ以外は再検討して、TS-7(N-9)と
キュリアスメタル(ホワイト)の3紙校正。
[上から下へ]
・キュリアスメタル(ホワイト)
・ミランダ(スノーホワイト)
・TS-7(N-9)
いい色が出ました。3者3様。どれも単体で見るとイイ感じです。
紙の力は大きいなあ。
結果はTS-7で全員一致。仕上がりは一番上の最初の写真です。
TS-7に濃い色を全面に刷った感じが新鮮です。
ニスとあいまって光沢が布のよう。
おかげさまで実物を手に取って欲しい装幀になりました。
感謝!
(F)