『30歳からをどう生きるか』弘兼憲史=著(新講社)
のブックデザインです。近年、帯の天地の高さががどんどん
大きくなっていく印象があります。
(製本所にもよりますが)110mm以上になると手作業になり、
製本代が高くなるので、効果がなければおすすめできません。
なかにはカバーより2~3ミリ小さいだけのものあります。
これも帯と言うのか?(言うのだそうです)
このままいくと、カバーより帯の天地のほうが高い、
そんなバカな!? なデザインが出てくるかもしれません。
(帯がトレペとかフィルムなら、すでにあるでしょうか)
また、タイトル文字などを微妙に帯にひっかけるものも
最近よくみかけます。
平積みされた単行本の帯は、
5ミリ10ミリくらい平気でズレますよね。
文字が読みづらく(読めなく)なるので、
5年くらい前だと、朱(アカ)が入って戻ってきたような
ラフでも、最近はOKをだす版元も増えているようです。
売れっ子装幀家のIさんは、「うまくやれば、動きがでるんです」
と言っていました。なるほど。そいうこともあるのか。
書店で見かけるものも、ちょっと文字の大きさを変えるなり
帯の高さを調整すれば、避けられるし、そのほうが良いものも
あるように思います。
自分もやったことがありますが、
このときはシリーズもののフォーマットで、しかたなく、
できればかけたくはなかったのです。
▲帯をとったところ
そんなことを考えていて
──別に批判とかではなく、逆手にとって
何か生かせないかと、やってみました。
カバーと帯の、紙と地色を同じにして
地色をタイトルに微妙にひっかけています。
遠目に見たら帯がずれているようにも見えるじゃないかと…。
▲(左)帯アリ (右)帯ナシ
(F)