11月に「装丁夜話」第三夜が予定されています。
今日紹介するのは第二夜に持参した1点(もう1点はコチラ)。
『ヒルトン家の華麗なる一族』(上・下)、
ジェリー・オッペンハイマー著 由良章子訳
2007年 アスペクト刊
和文書名の書体は、Garamond……を、組み合わせて作りました。
切って、回転させたり、裏返したり、伸ばしたりしながら、
なるべく元のエレメントを活かしました。
そうすることによって、自分の手や頭のクセでは絶対に
やらないカタチや面白いバランスを生み出すことができます。
この手法は他でもタマに見かけますが、読みづらくワガママな
ロゴになっていることも多いですね。
元の書体をうまく選べばエレメントはキレイなのですが
答えのないパズルのような作業には苦労します。
欧文は、Hermesという書体で、
事務所の名刺とか、色々な場面でよく使っていました。
↑表紙の模様は、Hoefler Text Ornaments という
“フォント”を、加工なしで組んだだけです。
↑(4色口絵1)気分を盛り上げる扉
↑(口絵2-3)「ヒルトン家語録」
「あたし、銀行に向かうときはずっと笑ってるの」
……パリス・ヒルトン
「いまにあの子(パリス)はダイアナ妃よりもビッグになるからね」
……ママ・キャシー(パリスの祖母)
「金持ちをつかまえるのよ!」
……ママ・キャシー(パリスの祖母)
なんて文字が踊ります。読みたくなりますよね?
↑口絵4-8は、ブランドを意識したデザインで
アルバム風にヒルトン家を紹介。
↑〈オマケ〉
見えない力によって、幻となってしまった
タイトル金箔の色校。
(F)