武蔵野美術大学 美術館の
行ってきました。
武蔵野美術大学美術館所蔵のコレクションから、
明治〜昭和の、おもに活版印刷で制作出版された
約250点の書物を、「造本の美」「装丁の美」「本文の美」の
三つの視点で構成した充実の展示です。
カタログのブックデザインも素晴らしく
貴重な資料になります。
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ひとつ紹介してみましょうか。
昭和10年の『春琴抄』です。
500頁超のこの書物は、なんと中綴じなんです。
中綴じにすると、表紙に近い方とまん中では、
一頁の左右の寸法がかわってきます。
薄い用紙を使っているとはいえ、
これだけ厚くなると、その差もそうとうになります。
つまり版面の位置を調整しないといけないわけです。
展示ではこの本は、手に取っても良かったので
パラパラとめくってみました。
小口のアキは揃っているようです。
もちろん本文の行数は統一されていますから、
頁が進むにつれて左右の版面をノド側に少しづつズラしています。
本のまん中の頁から最後に向かっては、
今度は小口側にズラしていく作業をしているんですね。
今の時代にDTPソフトを使ったとしても、
あまりやりたくない作業ですよね?
どうやって作ったのか。
なぜ中綴じにしたのか気になります。
──他にも紹介したい本がありますが、長くなるのでこの辺で。
「近現代のブックデザイン考 I」ということは、
「Ⅱ」があるんでしょうか? 期待大です。
11月17日(土)今日!まで。
(F)