2010年6月11日金曜日

「ニーチェ 道をひらく言葉」



「ニーチェ 道をひらく言葉」野田恭子訳(イースト・プレス刊)


・カバー → TS-7(N-9)

・帯 → キュリアスメタル(ホワイト)

・表紙 → TS-6(R-5)

・見返し → Mag100(プレーン)

・化粧扉 → ファーストヴィンテージ(アッシュ)


今回は時間も予算も余裕のある楽しい仕事でした。

イースト・プレスの編集長Hさんと担当編集者のHさんに

感謝しつつ、テスト印刷と色校の数々をお見せしましょう。



カバーのラフを7案ほど煮詰めていって、

たどり着いたのはガラースフレークのギラギラ感が独特な高級紙、

「ミランダ」のあい色を使用することでした。


そこで問題になったのがバーコード。

「ミランダ」の “あい” は濃い色なのでバーコードの

地色の白のために、白インキや白箔、シール貼りを検討…。


と同時に白い用紙に濃〜い藍色を刷る方向を

テスト刷りすることになりました。


1.テスト印刷はタイトルの「ニーチェ」の部分のみ各種加工。

用紙はミランダ(スノーホワイト)に2色+グロスニス。

[右・上から下へ]

・加工なし

・白箔(ノセ)

・白箔(ヌキ合わせ)

・パール箔(ノセ)

・パール箔(ヌキ合わせ)





2.用紙を「キュリアスIR」にしたもの。

同じく「ニーチェ」の部分のみ各種加工。2色+グロスニス。

[右・上から下へ]

・加工なし

・白箔(ノセ)

・白箔(ヌキ合わせ)

・パール箔(ノセ)

・パール箔(ヌキ合わせ)



テストでは、白箔もパール箔も予想ほど効果が出ず…。

よって特色2色を調整して、バーコードのために

スミを加えた3色で色校を出すことになりました。


用紙もミランダ以外は再検討して、TS-7(N-9)と

キュリアスメタル(ホワイト)の3紙校正。




[上から下へ]

・キュリアスメタル(ホワイト)

・ミランダ(スノーホワイト)

・TS-7(N-9)


いい色が出ました。3者3様。どれも単体で見るとイイ感じです。

紙の力は大きいなあ。


結果はTS-7で全員一致。仕上がりは一番上の最初の写真です。

TS-7に濃い色を全面に刷った感じが新鮮です。

ニスとあいまって光沢が布のよう。

おかげさまで実物を手に取って欲しい装幀になりました。

感謝!


(F)